癒すだけではダメ
潜在意識の中には、過去の傷や、癒されていない副人格(インナー・チャイルド)がたくさん住んでいます。
そして「こうであるべきだ。」という観念もたくさん入っています。
- 「優秀でないと自分には価値がない。」
- 「人を喜ばせなくてはならない。」
- 「競争には勝たなければならない。」
- 「男は強くあるべきだ。」
などなど。
潜在意識は過去の教育や経験によって、たくさんの学びを得ています。
そしてその中には、過去には役立ったけど、今では逆にそれによって苦しみを生み出している観念も多いのです。
例えば、「競争には勝たなければならない。」という観念は学生の頃であれば、クラブ活動や受験を勝ち抜くために役立ちますが、
社会人になって、人の助けを借りたり、夫婦で協力し合って生きていく上で、思わぬ足かせとなることがあります。
どうしても人にお願いができないとか、素直に謝れないという人間関係の悩みを掘り下げていくと、「競争には勝たなければならない。」という観念が邪魔をしていたりします。
ある時期に役立った信念が、ある時期に達すると、生き辛さを生み出すのです。
ですから、不要になった観念を解消していく作業、癒していく作業というのがとても重要になります。
それによって、不必要なストレスが無くなり、幸福感が溢れてきて、人生を自由に生きられるようになります。
催眠療法では、潜在意識にダイレクトにつながることで、これらの作業をお手伝いすることができます。
でも、大切なことが1つあります。
それは
癒したり、観念をゆるめたりするだけではダメだということです。
うまく癒しに成功すると、こだわりが取れてとても心が軽くなります。
「~でなければならない。」が「~の方が良い。」くらいにゆるむので、とてもゆったりとして、自分に着地をした幸福感を感じるようになります。
人によっては、何十年も味わったことの無かった安心感と表現された方もいらっしゃるほどです。
それは素晴らしいことですが、でもそこで止まってはダメなのです。
「あぁ~。幸せ。もうここでボーっとしていたい・・・・。」となって、前に進まなくなるのです。
セラピーで癒されても、一歩現実の世界に出ると、タフな人間関係が待っていることもあります。
お金を稼ぐために、必死に労働する必要もあるでしょう。
癒されると、そこから逃げたくなる人が多いのです。
今まで「やらなければ価値が無い。」という思いで自分を引っ張ってきたのに、それが消えてしまったのですから当然です。
踏ん張りどころが無くなってしまうのです。
そこで、癒しの次に重要になるのが、
鍛えるということです。
ここでもまた馬と騎手の関係で言うとわかりやすいです。
馬の傷を癒したら、筋肉を付けるためにトレーニングを始める必要があるのです。
これまでは「とにかく頑張る!」というやり方だったのが、
今度は
潜在意識を大切にしながら鍛えていくというやり方になります。
この辺りは、とても微妙な差ですが、この勘所をつかむと潜在意識は言うことを聞くだけではなく、どんどん強くなって行きます。
出来ることのレベルが上がるのです。
癒すだけではなく、馬を鍛える。
私は催眠療法だけではなく、潜在意識と良い関係を築く方法、鍛える方法をお伝えするコンサルティングにも力を入れています。